第2章 新生活
「ありがとう、月島くん。助かったよ。せめて一緒に行かせてね。」
「はいはい。嫌だって言ってもついてくるんでしょ。」
結局、職員室までダンボールを運んでもらってしまった。
武田先生に渡すためにを先生を呼び出す。
先生はすぐに私達に気付いてくれ、職員室の外まで受け取りに来てくれた。
「やあ、ありがとう。助かったよ。」
月島くんからダンボールを受け取った先生は、その重さに驚いたようだ。
「お、驚いたな。資料ってこんなにたくさんあったのか…!ごめんね、こんなに重いなんて知らなくて、女の子に頼んでしまって。月島くんが手伝ってくれたみたいで良かったよ。」
武田先生に笑顔を向けられた月島くんは「いえ…」と言って目を伏せる。
「今日の練習からコーチが来るから、楽しみにしていてね!」
先生はとても嬉しそうに私達にそう言って、それじゃあこれ、ありがとう、と自分の席へ戻って行く。
仕事を終えた私達は部室へ戻ることにした。
その道すがらの話題は、今日から参加するコーチのことで持ちきりだった。