第9章 代表決定戦
そんな月島くんに視線を向けて私は答える。
「み……見て月島くん!あの素晴らしいポスターを!」
「………?」
月島くんは私の言葉に怪訝そうな表情を浮かべながら、私が指し示す方向に視線を送る。
そして、ポスターを確認すると納得したような顔をして私に向き直った。
「頼むのは勝手だけど、僕は協力できないからね。」
「ええー!そんな!!月島くんの得意分野じゃん!」
「量が尋常じゃないじゃん。あんなの絶対無理。」
月島くんにそう言って断られてしまったポスターには、でかでかと“メガ盛りパフェ”とカラフルなゴシック体で書かれた文字が踊り、美味しそうなパフェの写真が印刷されていた。
よくテレビなどでは、それこそ月島くんの言うような“尋常じゃない量”の料理を出すお店を特集したりしているけれど、実際にそういうものを出しているお店には初めて入った。
しかも、パフェである。
前々から一度、甘いものがどこまでお腹に入るのかやってみたいと思っていた。
でも、絶対一人で食べきれるかと言われると自信がない。
月島くんがダメなら………
私は右隣の影山くんに、ちらりと視線を送った。
それに気付いた影山くんは、ご飯をかきこむ手を止めないままだけど、「んだよ」と反応してくれる。