第9章 代表決定戦
「俺達が目指すのは、あくまで春高での優勝だから代表決定は通過点でしかないわけだけど。それでも今日だけは素直に喜ぼう!みんな、お疲れ!!」
「「「「うえーい!!!!」」」」
大地さんの声に皆が叫ぶように答える。
皆、未だ興奮冷めやらない様子だ。
かくいう私もそれは同じなのだけれど。
今は、会場の体育館を出たあと、先生たちのおごりで代表決定祝賀会が行われているところだ。
インターハイの時とは違い、お通夜のような雰囲気で涙の味のご飯をかき込むこともない。
何せ、お祝いなのだ。
楽しく元気に、そして好きなだけ食べることができる!!!
皆も食欲全開と言った感じで、目の前の料理にがっついている。
私と違って皆は動いていたのだから、ある意味当然だ。
そんなことを思いながら箸を動かしつつ、壁に貼られているポスターに何となく目をやった。
その瞬間、私はそこから視線を外すことができなくなってしまう。
「…………どうかしたの?」
一点を見つめて動かなくなった私を不審に思ったのか、斜向かいに座っていた月島くんが声をかけてくる。
彼は、あれだけ動いていたにも関わらず、いつもと変わらず少食だ。
周りの皆が結構食べるからそういう風に見えるだけなのかもしれないけど。