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【HQ】春が始まる。(烏野逆ハー)

第9章 代表決定戦




準決勝は、お昼を挟んで午後から行われた。



1日2試合、しかも強豪校と戦わなければならないなんて、体力的にも精神的にも相当しんどいに違いない。



しかも、準決勝の相手はIH予選で負けた、あの青城に決まった。



皆は前回の事もあるからか、相手が決まってからずっとピリピリした様子である。



それはアップが始まった今も変わらない。



私は私にできることをしよう。
そう考えて、そこら中を飛び交うボール拾いに精を出していた。



そんな時。



「すみませーん!」



その声に顔を上げると、青城のコートの方から一人の選手がこちらに向けて走ってくるのが見えた。



「取ってくださいー!」



どうやらボールがこちらのコートに侵入してしまったらしい。



コロコロと転がってくるボールを拾おうとしたとき、



「危ない!!」



別方向からの声に振り向けば、鋭い回転のボールが間近に迫っていた。



あ、これは顔面に当たる…



一瞬でそう思い、思わず顔をかばったけど、いつまでたっても殴られたような衝撃はやって来なかった。


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