第9章 代表決定戦
条善寺高校との試合は、相手チームが異色だったため、一筋縄ではいかなかった。
型にはまらないというか、自由奔放というか、とにかく予想の斜め上を行くような攻撃をしてくる。
試合を遊びと表現し、ミスを恐れずに楽しみながら突っ込んでくるプレイスタイルは、とてもじゃないけれど条善寺が掲げる横断幕の“質実剛健”とは程遠いものだった。
でも、みんながそんな相手チームの空気にのまれそうになった時、やっぱり誰より落ち着いてチームをまとめていたのは大地さんだった。
試合を重ねるたびに、彼のありがたみを痛感する。