第9章 代表決定戦
「おーおー(仮)くんじゃん!今日も元気に彼氏ヅラしてるな!」
いきなり背後からかけられた声にみんなで振り返る。
そこには、名前こそ分からないものの見覚えのある人物がいた。
「あ……!合コンのときの…!」
「よ!1回戦よろしくな。」
合コンの時にバレー部だと言っていた彼は、どうやら1回戦の相手である条善寺高校の生徒だったようだ。
今言われてみれば、合コンの席での自己紹介の時、言っていたのはそんな学校名だったような気もする。
本当に彼らと戦うことになるなんて。
「この間の約束、覚えてるよな?」
「?」
「うちが勝ったら、俺と付き合えよ。」
「ええ?!」
そんな約束したつもりはなかったのだけど、この人の中ではそういうことになっているらしい。
影山くんが口を開こうとしたところで、西谷先輩が私達の間に割って入った。
「渡さねえよ。勝ちも、こいつも。」
西谷先輩は、試合の時のようにキリッとした表情で静かにそう言い放った。
場の空気が張り詰める。
そんな中、条善寺の彼は西谷先輩を見据えて笑顔を見せた。
「楽しみにしてるぜ。」