第9章 代表決定戦
「女子に対してじゃなくて男に対する牽制の意味のほうが強かったんでしょ。」
「つ、月島てめえ、勝手に決めつけてんじゃねえよ!」
「やっぱりちゃんとは否定しないじゃん。じゃあ、当ててあげようか。」
そう言って月島くんはニヤリと笑う。
「文化祭中に菜月のこと良いって言ってるやつがいて、そういう男たちに自分のことアピールするために衝動的にやっちゃったんじゃないの?
テレビのこと知ってるやつが多いとはいえ男子生徒全員じゃないだろうしね。影山が背後にいるって知ればビビる奴らも少なからずいるだろうし。」
「………!!!!」
「図星なんだな影山……お前、態度に出すぎ…」
菅原先輩が苦笑しながら呟いた。
「王様も大したことないね。菜月のこと別の男に取られるの怖くなったんだ。」
「うるせえな!!!俺はただ目障りなやつを先回りして排除してやっただけだ!!」
影山くんと月島くんの様子を見ていると、いつもと何ら変わりなくて、今日が決戦の日だということを忘れそうになる。
それがおかしくて私はつい笑ってしまった。
すぐに私の笑い声に気付いて、影山くんがこちらを向く。
「何笑ってんだよ。」
「あ……ごめん、何かいつもの感じだなあって思ったら緊張ほぐれて。」
「ほぐれるな!むしろ気を引き締めとけ!お前は姿勢も悪いんだよ!もっと胸張ってしゃんとしろ!!」
「うっ!!」
思いっきり背中を叩かれて、背筋が伸びる。
「痛いよ影山くんー…強く叩きすぎ…!」