第8章 春への道
「おいおい、何だよ細っこいヒョロヒョロブロックの高校生!今日は彼女連れか〜?余裕だなあ!」
「…………」
突然コートの方から私達に向かって声がかけられた。
そちらに視線を向けると、背が高く、いかにも強烈なスパイクを打ちそうな男の人と目が合う。
もしかして、さっき月島くんが言っていたすごく煽ってくる人というのはこの人の事かな。
何となく一瞬で見当がつく。
「彼女といちゃいちゃしてる暇があったらその時間筋トレでもしてな!」
うわあ……大人気ない。
彼女という部分を否定することを忘れてしまうくらい、私は目の前の大人に対して呆れてしまう。
これは月島くんが帰りたくなるのも分かる気がする。
「赤井沢さん。今日こそ止めてみせますから。」
「言うじゃねえか!彼女の前で恥かかせてやる!」