第2章 新生活
「よし、私も行かなきゃ!」
体育館へと急いでいると、また声をかけられた。
今度は背後から。
「あの、君!ちょっとすまん、教えてくれ。」
「はい」
振り返ると、私に声をかけた人は金髪にピアスの見るからに怖そうな人だった。
一瞬にして固まる。
「武田先生ってどこにいるか知らねえか。今職員室へ行ったんだが、いなくてよ…」
「ど、どのようなご用件でしょうか…」
「へ?」
「夜露死苦的なやつなら、絶対に教えられません!!」
「な、なあ…なんか勘違いしてねえか?」
見るからに柄が悪そうな人なのだから、警戒するにこしたことはない。
いざというときに何か武器になるものは…なんて物騒なことを考えていたら、私とその問題の人物の間に割って入る人がいた。
影山くんだった。
「なんすか。なんかこいつに用でもあるんすか。」
影山くんの後ろ姿から黒いオーラがたちこめている。
今きっとすごい目つきして睨んでるんだろうな。
「…いや、もういい。他のやつに聞くわ。」
金髪の人は疲れたような様子を見せ、私達に背を向け行ってしまった。