第8章 春への道
そんな菅原先輩の隣で大地さんが笑った。
「影山は好きなものに向ける情熱が半端ないもんな。女子にもそういう感じになるとは出会った時は思わなかったけど。」
「追いかけられる方はたまったもんじゃねえよな。なあ菜月?」
「あ、あはは………」
田中先輩が同意を求めてくるけど、苦笑いしか出てこない。
「王様の彼女になる子はさ、過去とか他の女子に妬くっていうよりは最大のライバルはバレーになるんじゃないの。」
「ああ、確かに…。」
月島くんの言葉に妙に納得してしまう。
「妬く対象が人じゃないってところがほんと厄介だよねえ。
………だからさ、そういう意味で王様にもちゃんと面倒な要素はあるんだからね。そこ、ちゃんと理解しときなよ。」
「え?うん……」
「お前、余計なこと言うなよ!!」
「だって本当のことじゃん。じゃあ聞くけどバレーか彼女かって2択迫られたらバレー捨てられるわけ?」
「うっ………。そ、そんなこと聞くやつは彼女にしねえ!お前はそんなこと聞かねえよな?!」
思い切りこちらを振り向かれて心臓がはねた。
影山くんのオーラの圧がすごい。