第8章 春への道
「菜月はさ、指輪もらうことについてはどうなの?」
「え?」
「重いと思っちゃう?」
菅原先輩がやけに真剣に問いかけてくるので私も少しだけ考えてから答えを返した。
「いや、別に…。好きな人から貰えるならすごく嬉しいと思いますけど。」
「あー良かった…。」
私の返事を聞いて菅原先輩は安堵のため息をついている。
「俺、付き合ったら絶対指輪してほしいタイプだから!やっぱ指輪してるだけで他の男、近付きにくくなるじゃん。」
「スガは確かにそういう感じだよな。俺のもの!って彼女に分かりやすく印つけときたいんだろ?」
「そうそう、さすが大地!よく分かってる。」
「でも元カレになったら簡単に忘れられて捨てられるんだぞ…海とかに…」
「さっきからそればっかりうるさいんだよ旭は!!」
旭さんのツッコミに思わず笑ってしまう。
さっきの私の“海に捨てる”発言が相当こたえたらしい。