第8章 春への道
次の日は文化祭の後片付けに追われた。
その間、クラスメイトに昨日の後夜祭での影山くんからの告白について散々からかわれることになった。
私は昨日イベント中に返事をしなかったので、余計にみんなの注目を集めてしまっているようだ。
返事どうするの、と会う人会う人に聞かれるけど、それは正直私自身が一番知りたいことだった。
こういう時は、影山くんが同じクラスじゃなくて良かったなあなんて思ってしまう。
片付けも終えて、解散の流れになった時だった。
友人の、菅原先輩が来てるよ!という慌てた声に顔を上げれば、私の瞳は教室の出入り口に確かに菅原先輩の姿をとらえる。
先輩は、少し気まずそうな表情で私を手招きした。
「突然悪い。ちょっといい?」