第8章 春への道
「ど、どうしたの?!」
「つ、月島と影山が出てたらと思ったら…!む、胸きゅんて……!!」
私もプログラムに視線を落とす。
どうやら日向くんの大爆笑の原因は、ミスター烏野のステージ内容でも一番盛り上がりそうな、“胸きゅんシチュエーション”というやつらしい。
お題は“理想の告白&キス”。
実行委員が用意した女子生徒か、自分が選んだ女子でそのシチュエーションを実際に行うらしい。
キスに関してはフリだけだろうけど。
順番にプログラムを確認した月島くんと影山くんは、二人とも顔をしかめた。
「こんなのに出ようとする人の気がしれないね……」
「ああ。」
二人が同調している……!!
それを見た私は何だか嬉しくなってしまった。
「でも、見る側としては楽しみー。盛り上がりそうだし!」
「それ、実際好きなやつを相手役に指名して付き合った奴も過去に結構いるらしいぞ。」
話を聞いていたらしい田中先輩がそう教えてくれた。
相手役を自分で選ぶ場合はほとんどが実際の告白目的なのだそうだ。
尚の事、テンションが上がってしまう。