第8章 春への道
「俺も他の奴らもそうだけどさ。よく考えたら付き合ってもない男にベタベタ触られるのなんて嫌だよな。ごめん。」
「え、でも私……」
「?」
「菅原先輩に撫でてもらうの、好きです。すごく安心するので…。」
「え………」
先輩の表情が止まって、頬が少し赤く染まる。
そのあと、照れたように笑った。
「それならさ。早く、俺のとこにおいで?そしたらいくらでも撫でてやるから。」
「菅原先輩……」
私に優しい眼差しを向ける瞳に吸い込まれそうになる。
けれど、次の先輩の一言であっという間に私は正気を取り戻した。
「まあ、いざ彼女になったら撫でるのは頭だけじゃ済まないだろうけどな。」
「なっ……!!!」