• テキストサイズ

【HQ】春が始まる。(烏野逆ハー)

第8章 春への道




そして、結局彼女の押しに負けて参加する運びとなったのである。



決起会のカラオケの時とは比べ物にならないくらいの重圧に、今から押し潰されそうだ。



「……………。」



「…あのさ、どうかした?菜月…。」



部活帰り。
いつもと同じように菅原先輩と帰り道を辿っていた。



私の様子を見て菅原先輩が気付かない訳はないのだけど、案の定指摘された。



「ちょっと心配事ができちゃって…」



「そうなの?俺で良ければ聞くけど…。」



先輩がそう言ってくれたところで、もう駅に到着しそうになる。



それに、私はこれから行かなければならないところがあった。



「……あ、でももう着きますし。また時間あるときにでも。ありがとうございます、それじゃ。」



私が駅とは反対方向に歩き出すと、先輩が慌てたように声をかけてくる。



「ちょ、ちょっと待てって。こんな時間からどこ行くつもり?」



もうすぐ代表決定戦のため、最近はいつもの部活より更に帰り時間が遅くなっていた。



先輩が心配してくれているのはそのためだろう。



「あ、ええと…。その、練習に行かないといけなくて。」



「練習?何の?」



「カラオケの…。」



「カラオケ??」



「す、菅原先輩ー……」


/ 767ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp