第8章 春への道
「そんなことを俺達が許すと思ってるのかお前……!!」
急に割り込んできた声にそちらに顔を向けると、そこには鬼の形相の西谷先輩がいた。
「?!なんで西谷先輩も…」
「うちにはマネージャーの自称彼氏(仮)がたくさんいるんですよ。」
「そういうスガ、お前もそうだもんな。」
「……大地も本当はそう言いたいくせに。」
聞き覚えのある声が、というか毎日聞いている声が続々と聞こえてくる。
どうやら皆で私のことをつけてきて、このお店に入って様子を見られていたようだ。
先輩たちの後ろで佇んでいた月島くんとふいに目があった。
「やっぱり。こんなことだと思ってたよ。」
「ご、ごめんなさい!私はあの、数合わせで参加しただけで…」
「それも分かってるよ。外から見ててあんなにやる気ないの菜月だけだったし。」
「あはは…。」
月島くんの言葉に思わず苦笑いしてしまう。
それはそれで参加した人達に失礼だったなと反省する。