第8章 春への道
「か、影山くん…?!!」
影山くんは私の手首を掴んで彼から引き離したあと私達の間に割って入った。
「何だよお前、急に。誰?」
「こいつの……」
黒いオーラを立ち込めさせている影山くんが何を言い出すのか心配だったけど、口を挟めそうな雰囲気ではなかった。
「こいつの彼氏(仮)ですコラ。」
かっこ、かり………。
その言葉に場違いかもしれないけど私は思わず笑ってしまいそうになる。
それは彼も同じだったようで、声を上げて笑っていた。
「何だよ(仮)って。それって結局彼氏じゃねえんだろ?ならいいべ、関係ないじゃん。」
「かっ…関係なくないです。うちのマネージャーに手、出さないでください。」
「………ん?お前、もしかしてバレー部?」
「そうすけど…」
彼はそれを聞いて、とても楽しそうに笑った。
「奇遇だな。俺もバレー部だ。代表決定戦で当たるの楽しみにしてるぜ。俺達は誰よりも遊んで、お前んとこのマネージャーもモノにしてやる。」