第8章 春への道
セッティングされた合コンの席で、私は向かい合わせに座った男の人たちを前に恐れ慄いていた。
何これ、かっこいいにはかっこいいのかもしれないけど、チャラい人ばっかりじゃん。
怖いよー!!!!
普段部活はもとよりクラスでもそういう方向の男子とは繋がりを持たないし、そもそも苦手なので関わってこなかった。
烏養さんみたいな見た目にそぐわない例外もいるにはいるのだろうけど、それにしたってこういう場では第一印象が重要だ。
席につく前に相手の人たちを見てからというもの、私は完全に引いてしまっていた。
時々隣に並ぶ友人たちの様子を窺ったけど、皆はそれなりに楽しんでいるようだからそれに関しては安心した。
「じゃあそろそろ席替えしようぜ!」
男子側の一人がそう提案し、席替えをすることになった。
席を替えたところで相手側は全員私の苦手なタイプなのだから同じことだ。
そう思いながら、やる気ゼロで席を移動する。
まあ最初から積極的な参加の意思なんてなかったのだから別に良いんだけど。
次に私の目の前にやってきたのは、染められた髪とピアスが印象的ないかにも遊び人といった感じの人だった。