第8章 春への道
そのあと、そのままいつも通り部活をこなした。
片付けの段になって、私は体育館の出入り口に友人たちの姿を見つける。
手の動きだけで待ってて、とサインを送り、手と足を動かす速度を早めた。
「月島も言ってたけど、今日何かあるの?」
「え!!」
気付かないうちに隣にいた菅原先輩の一言に肩が縮んだ。
「い、いや…。今日は皆とご飯を食べに行くことになってるだけで。そういうわけなので今日はお先に失礼します!!」
「あ、うん…」
残りの片付けを終えて皆の元へと急いだ。
気のせいか、部の皆からの視線が痛いような……。
自分が後ろめたい想いを抱えているからに違いない。
そう考えて私は、友人たちと共に体育館を出た。