第8章 春への道
「やった……!1番!!!」
西谷先輩はゴールしたそのままの勢いでグラウンドの反対側からすぐにこちらまで駆けて来た。
そして、私の前に立つと髪をグシャグシャにしてくる。
「すげえじゃねえか菜月ー!!ちゃんと1番キープしたな!!えらいぞー!!」
「あ、ありがとうございます……!西谷先輩もすごかったですね、ちゃんと最後まで1番で。」
「ああ。絶対になんとかしてやるって言ったろ?思ったより全然ピンチにはならなかったけどな。」
そう言って西谷先輩は明るく笑った。
他の皆も続々とこちらに集まってきて、皆で1位という結果を喜んだ。
「影山ー!やっぱお前すげえなー!あのサッカー部のやつも相当速かっただろうに。」
「…あざす。」
西谷先輩が影山くんを褒め、影山くんがそれに短く答えている。
その後、影山くんはこちらに顔を向けてきた。