第8章 春への道
そしてまた最強のカレーを一口。
本当にそれ、辛いんですか?
あまりの自然さにそう問いたくなってくるくらいだ。
「武田先生が運命とかそういう話してたみたいだけど、俺にとっては菜月がそうなんだろうなってこの前聞いて思ったよ。」
「うー……恥ずかしい…」
「まあ、カレー食いながら言うことじゃないか!」
「あはは。ごめんなさい、私が変なこと聞いたから。」
「いや別に。むしろ貴重なアピールタイムを頂き、ありがとうございます!」
そう言って軽く頭を下げてくる先輩に、私は笑ってしまう。
「でもさ。やっぱ俺、お前がいい。お前じゃなきゃ嫌だ。こうやって夕飯一緒に食べるだけで幸せなんだから、ずっと一緒にいられたらどれだけ幸せなんだろうって思うよ。」
「菅原先輩……」
「一緒に飯食うってある意味、一緒に生きてくってことだと思うから。俺、これからも菜月とこうやって色々食べたいし、菜月が作ったもの食べて生きていきたい。」
なにこれ。
プロポーズ……?
頬が熱くて、自分でも真っ赤になっていることが分かった。
「せ、先輩…!わ、私はまだまだ花嫁修業が足らないっていうか…!まだまだ子供でして…!!!」
「うん。俺もまだまだだから。ちゃんと大人の男になったらもう一度プロポーズさせてな。」