第8章 春への道
「進路のことでさ、今ちょっと色々あって大変で。」
「そうだったんですか……」
「かっこ悪いよな、こんなことも自分で処理できなくて。」
「そ、そんなことないですよ…!」
また少しだけ先輩の表情が暗くなったので、私は焦る。
何にも良いことは言えないけど。
何か。
何か私でも役に立つことはないだろうか。
「あ、あの!ご飯!」
「?」
「これから一緒にご飯食べに行きませんか!良くないことを考えちゃう時はお腹が空いてるときなんだって、私、西谷先輩に言われてこの前気付いたんです!」
「………菜月…」
私の言葉に先輩は少しの間驚いた様子だったけど、すぐに笑顔で了解の返事を返してくれた。