第1章 出会い
「あれー?もう新顔がいるじゃん!…女の子も!」
先輩らしき、その人は爽やかな笑顔を浮かべて私に
「1年生?もしかしてマネ希望?」
と聞いてきた。
「えーと、私は…」
返答にあぐねていると、こちらに気づいた日向くんが駆け寄ってきて先輩に挨拶をし、自己紹介を始めた。
「ちわっす!初めまして!俺、日向翔陽っていいます!バレー部入部します!!」
「おー、元気いいなー。俺は菅原孝支。3年だよ。」
「色々教えてください!!あっ、この子は俺と同じクラスの水沢さんです。バレーが好きだって言うから連れて来ました!」
再び矛先が自分に回ってきて焦る。
「日向でかしたー!マネージャーになってくれる子、清水が探してたんだよなー。」
菅原先輩は、焦らなくていいからよく見学して決めてな。と言って練習の準備に入っていった。
「水沢さん!俺入部届出しにいくけど一緒に行かない?」
「え?」
「おいお前、今先輩がマネージャーの件、よく見て決めろって言ってただろーが!出すならお前だけ出してこいよ、困ってんだろ。」
ジャンプサーブの彼が助け舟を出してくれた。
「むっ…なんかお前に言われると腹立つ…。けどそれもそうか。んじゃ、行ってくるな!」
日向くんはここまで来た時同様の速さで、おそらく職員室へと向かったのだろう。
私はジャンプサーブの彼へと視線を向けた。