第7章 東京遠征
「水沢さんは、そのままで良いと思いますよ。」
「えー、でも…やっぱり少しはちゃんとしたいですよ私も。社会に出てから恥かきそうだし…」
「その時はその時で考えればいいじゃないですか。……今は余計なこと考えないで、俺に世話焼かせて。」
「えっ……」
赤葦さんの言葉に体が反応して、お肉が喉に詰まった。
軽く咳き込む。
それを見た赤葦さんはすかさず私にお水の入ったグラスを渡してきてくれた。
ありがたく頂いて、私はようやく落ち着く。
「すみません、お騒がせして……。」
そう言って彼の方を見上げると、優しい眼差しに射抜かれた。
「…ほんと、君といると飽きない。」
その視線に、身動きが取れなくなる。
「水沢さん。」
「……は、はい!!」
「肉取ってくる代わりにって言ったら何だけど…。連絡先、教えてもらえないですか。」