第7章 東京遠征
そう言って月島くんは私の手からワークブックを奪い、パラパラとページをめくった。
「……何これ、ほとんどできてないじゃん。」
「そ、そりゃそうだよー!夏休みはまだまだこれからだよ!」
「そういうこと言ってる人が一番危ういもんだよね…」
「え、もしかしてだけど…月島くんもう宿題終わってるとか?」
「合宿入る前に終わらせてきたよ。面倒だから。」
「………!!!!」
こ、これだから脳みその出来が違う人は…。
面倒だからささっと終わらせた。とか言えるレベルの量じゃない気がするんだけど、この課題。
「やっぱ月島くんはすごいな……。それ聞いたら焦ってきた。返して。どこかでちょっとでも進める。」
そう言って手を出すも、月島くんは何故か私にワークブックを返してこない。
疑問に思って彼の顔を見つめると、ニヤリと嫌な笑顔を向けられた。
「ここまで届いたら返してあげるよ。」
「ええー!!」