第7章 東京遠征
次の日の夜。
私は一冊のワークブックを持って合宿所内を歩いていた。
何せ、合宿が一週間もあるものだからもしかしたらどこかのタイミングで夏休みの宿題が進められるかもしれない。
そう思って、英語の訳の宿題を持ってきたのだった。
でも実際、合宿が始まってみるととてもじゃないけどそんな隙はなく、とうとう最後の夜を迎えている。
明日で帰るのかあ……。
振り返ってしまうと、一週間なんてあっという間だ。
せっかく持ってきたワークブックがただの要らない荷物だったと思うのが嫌なので、私は少しだけでも宿題を進めるべく、落ち着ける場所を探していた。
そんな風にウロウロしていたら、男子部屋の前で今日は月島くんと鉢合わせた。
「何やってるの菜月。」
「あ……月島くん。」
「何でそんな物持ってウロウロしてるのさ。」
「どこかでこれ、ちょっとでも進められないかなあと思って…。」
「ふーん…」