第7章 東京遠征
そう大真面目に発言した。
「「「「…………」」」」
それを聞いた皆は一様に固まって私の方を凝視している。
数秒後、田中先輩と猛虎さんが二人で大声で泣き出した。
「結局最後は雰囲気かよおおおー!!それじゃあ何も改善のしようがねえじゃねえかー!」
「え、あ…ごめんなさい…」
「謝るな!余計惨めになる!!」
「雰囲気作りから頑張ってくださいー。」
「月島てめえニヤニヤしながらムカつくこと言うんじゃねえー!!」
「おいお前らうるさいぞ!もうすぐ消灯時間なんだからな!!」
ちょうど部屋に戻ってきた大地さんに一喝され、その場はお開きとなった。
中学の時まではこういう下ネタ的な話や誰が好きだのという話は割と隠れるようにヒソヒソと交わされていたものだったけど…
高校に入ると途端にこういう話題が明け透けにされるようになった気がする。
これもひとつ大人になったということなんだろうか。
結局良いアドバイスが出来た気は全然しなかったけれど、こういう実にならない会話もとても楽しかったりして。
試合で当たればライバルの関係の人たちとも、ひとたびバレーから離れれば同じ高校生なんだなということが実感できて嬉しく思う。
そんな風にして、合宿5日目の夜は更けていくのだった。