第7章 東京遠征
「クロさんみたいにエロオーラを自然に振りまける人は良いですよね、何もしなくてもモテて!」
猛虎さんが、まだ笑いの止まらない黒尾さんに向かって叫ぶ。
「おい、エロオーラってなんだよ…」
「知らないんすか。うちの学校の女子はしょっちゅうクロさんに抱かれたいだのなんだの言ってますよ!!」
「やはり、言われている当の本人は気付かないものなんだな…」
田中先輩が猛虎さんを慰めるように肩に手を置いた。
「だ、抱かれたいって…。」
衝撃的な発言を聞いて、私は思わず心の声をそのまま呟いてしまった。
私の友人にも一人そういう話題が好きな子がいるけれど、その子が特別なわけではなくて女子も結構そういう話を普段からするんだろうか。
そんなことを聞いてしまってから黒尾さんを見ると、確かにそういう雰囲気を漂わせているような気がしてくるから不思議だ。
私の視線に気付いた黒尾さんがこちらを見返して、ニヤリと笑った。