第7章 東京遠征
本当は、いつも思っていた。
大地さんはマイナスの感情を一人でどう処理しているんだろうと。
キャプテンは精神的支柱。
その上、大地さんはプレイスタイルも盤石なレシーブ力が武器だ。
正に、烏野の土台。
本人もそのことをとても強く意識しているような気がする。
だから、自分だけは周りに頼ってはいけない、弱音は吐いてはいけない。
そう自分を戒めているように私には見える。
私が言葉に詰まっていると、大地さんが軽く息を吐いてから口を開いた。
「もしかして、俺のこと心配してくれてる?」
「あ……」
「悪い。心配させるような顔してたつもりないんだけどな。」
「いや、私が勝手に心配しちゃっただけなのでそんな気にしないでください!!」
必死に顔の前で手を振ると、それを見た大地さんは少し笑ってくれた。
そして、また話しだす。