第7章 東京遠征
「そうかあ成功したか…。まだ試合で使えるまでには時間かかるだろうけど、大きな一歩だな!」
「そうですよね…!私も嬉しくて。だから疲れなんて全然平気です!」
「そうか。」
私は練習もこなしていないし、疲れと言っても慣れない環境での生活に対するものくらいだけど、皆は違う。
「大地さんは疲れてないですか?」
「俺?ああ、大丈夫だよ。」
大地さんは普段からあまり弱音を吐かない。
だから疲れてませんかと聞いても大丈夫と返ってくるのは分かっていた。
でも、何だか今朝は自分が不安で怖い思いをしていたのを助けてもらったからか、大地さんのそういう感情も受け入れたい気持ちになっていた。
「最近怖いこととか、不安なこととか…ないですか?」
「何、どうしたの。なんでそんなこと聞きたいんだ?」
「いや…ええと。」