• テキストサイズ

【HQ】春が始まる。(烏野逆ハー)

第7章 東京遠征




早速電話をかけ、繋がったポメラニアンの飼い主さんは平謝り状態だった。



すぐに迎えに行くからと言われたので、私達はここで飼い主さんが来るまで待つことにした。



「こういう時のお前の行動力って異常なものがあるよな…」




「そ、そう?」



「普段ボケっとしてるから余計そう感じるのかもしんねえけど。」



「あはは…ボケっとねえ…まあ反論できないけど。」



さっきから影山くんは、私の腕の中のポメラニアンにちらちらと何度も視線を送っている。



「あ、影山くんも触りたい?どうぞ。飼い主さんが来る前に少しくらいならいいよね。」



そう言って影山くんに渡そうとすると、ポメラニアンは目に見えて怯えたような感じを見せた。



「俺、動物に好かれねえから。」



「影山くん笑わないからじゃない?ほら、笑って笑って!」



そうリクエストするも、返ってきたのはあの無理矢理作った怖い笑顔だった。



ポメラニアンは余計に怯えてしまう。



「影山くん、普通に優しい表情とかするときもあるのに…。」



そう言うと、影山くんはまた照れてそっぽを向いてしまった。



「そんな特別なもん、そうぽんぽん出せるか!」



まあ、そうか。
影山くんにとっては特別な表情なのかもしれない。



でも、私はそれを知っている。
そう考えると少しドキッとした。



/ 767ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp