第7章 東京遠征
今日も当然私が練習に付き合うものと思っていたのであろう影山くんは私の返答に驚いていた。
そしてそのすぐ後に黒いオーラを放ち始める。
「まさか第三体育館に行くつもりじゃねえよな…?」
「ち、違うよ…ちょっと…。」
「ちょっと、なんだよ。」
「私にも色々ありまして…」
「ああ?」
その睨み方はずるいよ…
恐怖政治だよ影山くん…
仕方ないので影山くんに近付いて耳打ちをした。
「はあ?!犬?」
「声大きいってー!!」
私は慌てて影山くんの口を塞ぐ。
「そういうわけだから、もういないとは思うんだけど私が安心できないからちょっとその辺だけ見てくるから。戻ったらまたボール出しするね!」
「待てよ。お前みたいな方向音痴、夜なんて余計迷うぞ。どこ探すのか知らねえけど帰ってこられなくなってもいいのか。」
「う……。」
大きなため息をついたあと、影山くんは言う。
「俺も一緒に行ってやる。」