第1章 出会い
「今年の1年生、素人目の私から見てもすごいと思うんです。だからお願いします!練習だけでも見に来てくれませんか?」
「水沢さん…」
「OKしてくれるまでこうしてます!」
「えええ……」
旭さんには悪いけど、強行手段だ。
少しの間、沈黙が続いたけれど、旭さんによってそれは破られた。
「…わかった、わかったよ。今日練習見にいくから。だから頭上げて?」
「……!!ありがとうございます!!!」
「今年はマネージャーも、いい新人が入ったみたいだね。」
それじゃあ放課後。
そう言って旭さんは先に空き教室を出て行く。
残された私は手近な席に座り込んだ。
「緊張した……」
これでうまいこと復帰への道を辿ってくれるといいな。
そう願いつつ、私も空き教室を出た。