第1章 出会い
本日の授業も終わり、また放課後になった。
今日は部活へ行く前に、先生のところにクラス全員の提出物を届けに行くというクラスの仕事があった。
早く済ませて部活に行こう!
職員室へ向かう足が自然と早足になる。
気持ちが焦っていたため、角を曲がった先にすぐ人がいることなんて想像もしていなかった。
「うわっ!!!」
先輩らしき男の人と正面衝突してしまった。
ぶつかった相手は大きな体とは裏腹に、尻餅をついた私を見ておろおろしている。
「ご、ごめんね!大丈夫だった…?」
手を差し伸べてくれたので、遠慮無くそれに頼って立ち上がる。
プリントは大事に抱えていたのでばらまくことはなかった。
「こちらこそすみませんでした、私が急いでたからよけきれなくて。」
「ううん、怪我がなくてよかったよ。これから部活だから急いでたの?」
「はい!入部したばっかりなんですけど楽しくて。」
私の言葉を聞いて、気のせいか、彼は切ない表情を浮かべた。
「へー。1年生か。何の部活?」
「男子バレー部のマネージャーなんです。」
「えっ…」
今度は明らかに驚いた様子だ。
どうかしたのかと聞こうとしたら、遠くから聞き覚えのある声がした。