第6章 再起
「すごいー…!」
当初の目的を忘れて私は感動してしまう。
「……次は?」
「え。」
「さっさと次のわかんないとこ教えなよ。どれ?」
かったるそうに言うけれど、ちゃんと勉強に付き合ってくれるその姿勢に私はまた感動する。
心配して助けに来てくれたり、意外と甘いものが好きだったり、こういうときに面倒見がよかったり。
月島くんのギャップは心にじわりとくるものがある。
結局かなりの時間、勉強に付きあわせてしまった。
日向くんと影山くんもそれなりに勉強になったようで良かったと思う。
何だか、一番得をしたのは私な気がするけども。
「ねえ、勉強付き合ったんだから何かないわけ?」
再び帰る支度を整えた月島くんが私にそう声をかけてきた。
「あ…ほ、ほんとにありがとうございました!!」
「いや、そうじゃなくてさ…」
「あー…ごめん。今日、何も甘いもの持ってないんだよね…明日持ってくるから!」
「だから…そうじゃないよ。」
焦れたように月島くんが歩いて私の目の前にやってくる。
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