第6章 再起
「じゃ、じゃあさ!!月島くん!今ここで私にちょっと教えてくれないかな?分かんないとこあるんだけど月島くんなら分かるかなと思って…」
「…………」
だ、だめかな…
私が教えてもらうののついでに、二人もそれを聞いて勉強になればなんて思ったりしたんだけど…。
月島くんは軽くため息をついてから肩にかけていたカバンをおろした。
「…早く出しなよ。どこが分かんないの?」
や、やった!!!!
OKをもらったところで即座に日向くんと影山くんのほうに振り返り、小声で話しかける。
「私が分からないとこどんどん聞いてくから、二人はそれ聞いて理解して!なんとなく皆で勉強みたいな形作っちゃえばきっと大丈夫だよ。」
「あ、ありがとう菜月〜!!」
「…………。」
喜ぶ日向くんに対し、仏頂面な影山くん。
「間接的に月島に頼るのは気に入らねえ、とか思ってるんでしょ…。」
「な…!」
「そのプライドと遠征どっちが大事なの!行けなくてもいいの?」
そう迫ると、影山くんは舌打ちをしながらも観念した。
彼にここまで愛されるバレーボールは、本当にすごい。