第6章 再起
思わずほっとして、次は日向くんと影山くんの表情を窺う。
二人とも不安気なままだった。
それを見た私は、もう帰る支度を整えて今にも出ていきそうな月島くんに声をかけた。
「ねえ月島くん。日向くんと影山くんに勉強、教えてあげられないかな。」
「はあ?なんで僕が。嫌だよ。」
振り向いた月島くんに一蹴された。
まあ、予想の範囲内だから別に何とも思わないけど、やっばりだめか…。
「だいたい二人に教えたところで僕に何のメリットがあるのさ。菜月がキスでもしてくれるわけ?」
「ええ?!」
「な、なななな何言ってんだよ月島ー!何で菜月がそんなことしなきゃいけないんだよ…!」
「そうだ!ふざけるな!」
顔を赤くした日向くんが月島くんにそう返し、影山くんもそれに同調する。
月島くんの言葉に動揺しながらも、私は足りない頭を使って考える。
………そうだ!