第6章 再起
部室に戻ったあと、菅原先輩は自分のバッグから数冊のノートを取り出した。
「俺さ、毎回テストの時は専用のまとめノート作ってるんだ。これ、昔のやつだけど参考にはなると思うから良かったら使って!」
渡されたノートをパラパラめくれば、先輩の丁寧な字で各教科の要点がまとめられている。
「こ、こんなの貰っちゃっていいんですか…!」
「いいのいいの。俺もう使わないから。」
「ありがとうございますー…!」
「スガは相変わらず菜月に甘いなあ。」
「そりゃそうだよ大地。だって菜月が万が一遠征来られなくなったりしたら俺嫌だし。」
先輩の言葉に、身が引き締まる思いだ…。
「先輩の好意を無駄にしないように頑張ります…」
「はは、嘘だよ。補習になるなんて思ってないって。ただ単に俺が菜月の世話やきたいだけだから。」
「スガさーん!俺のことも助けてくださいー!!」
そう言って菅原先輩に助けを求めてきたのは西谷先輩だった。
西谷先輩もさっき体育館で絶叫していたうちの一人だ。
勉強にはあまり自信がない様子だった。