第6章 再起
「大好きなバレーがかかってんのにさ、テストで赤点すら回避できないわけ?王様。」
「月島、あんま影山煽るなよ。」
菅原先輩が月島くんを注意してくれたけど、もう遅かった。
「ああ?てめえに関係ねえだろうが」
「大ありだよ。菜月に迷惑かけないでくれる?王様に付き合わされてたら自分の勉強進まないでしょ。」
「菜月はお前のもんじゃねえだろ。」
「それを言うなら君のものでもないよね。勉強に付き合う義務なんてないと思うんだけど。」
二人が火花を散らしている。
困って視線を彷徨わせていたら、菅原先輩と目があった。
その後すぐに隣にやってきた先輩は、笑顔で私に言う。
「菜月には、今回も俺がついてるから安心して。ちゃんと教えてやるからな。」
その笑顔と言葉に、思わず心が和む。
ああ、私は菅原先輩のおかげでとりあえず補習は免れそうだ…
そう思って胸をなでおろしていると、菅原先輩が続けて口を開いた。
「そうだ、後で菜月に良いものあげる。」