第6章 再起
この前テストが終わったと思っていたのに、あと少しでまたテストの時期がやってくる。
昨日の部活終わり、武田先生から皆へ大切な話があった。
「もうすぐ期末テストあるの、分かるよね?」
勉強に不安のあるメンバーがあからさまに先生から視線をそらす。
来月の試験の後、東京で関東の強豪が集まる遠征が予定されている。
でも、試験で赤点を取るとその補習が入ってしまうため遠征には参加できなくなるというのだ。
皆の絶叫が体育館に響く。
「影山が息してません!」
山口くんの言葉に影山くんのほうを見ると、彼は真っ白になっていた。
相当自信が無いらしい。
「だ、大丈夫だよ影山くん…テスト勉強頑張ろう?」
そう声をかけると、フリーズを解いた影山くんにがしっと肩を掴まれ揺さぶられた。
「俺にはお前だけが頼りだ!何とかしろ!!」
「えええー…今回は流石に荷が重すぎるよ…遠征行けなくかるかもしれないなんて」
「そこを何とかするのがお前の役目だろ!」
「そんなー!」
影山くんはどう思っているのか知らないけど、別に私だってそんなに学力がある方ではないのだ。
人に教えられるようなレベルではないと自分では思っている。