第6章 再起
「そんな!嬉しかったですよ。さっきは死ぬほど恥ずかしかったですけど…」
「西谷は何だかよく分かってなかったみたいだけどな…」
「あはは…先輩には恥ずかしいところを見られてばかりですね。本当に反省です…」
「俺にはいくらでも見せてくれていいけどさ…。他の男には勘弁してほしいな。」
先輩の言葉を聞いて私はまた恥ずかしくなる。
少し俯くと、また鋭い悪寒が体を駆け抜けた。
体から血液が出ていく嫌な感触がする。
私が体を縮めたことに気付いた先輩が言う。
「どうした?ジャージ着てるけど、寒いか?」
「あ……はい。いつも初日は寒くて寒くて…。」
恥ずかしいとか言いながら、先輩にはつい本音が出てしまう。
恥ずかしいところばかり見られているから今更かもしれないけれど。