第6章 再起
落ちたのはナプキンだった。
さっきお手洗いでポーチから多く出しすぎて、つい面倒でスカートのポケットに押し込んだナプキンが落ちていた。
鍵とともにこぼれ落ちてしまったようだ。
拾い上げようとした西谷先輩を慌てて制する。
反射的にかがんで拾おうとした時、運悪く菅原先輩がやってきた。
「菜月、大声出してどうしたんだよ………」
菅原先輩は、落ちているナプキンを見て一瞬固まった。
そのあとすぐ顔を赤くして、
「一体何を落としてるんだよ菜月は!!」
と少し大きな声を出す。
「ご、ごごごごめんなさい…!!!」
顔から火が出そうだった。
慌てて拾い上げてカバンの奥に押し込む。
それを確認した菅原先輩は、私を落ち着かせるように背中をさすったあと、軽く肩を抱いて耳打ちをしてきた。
「体しんどいんだろ。俺と先に帰っちゃおう。」
思考が追いついていかないうちに菅原先輩に店の外に連れだされていた。
菅原先輩には透けた下着を見られたり、恥ずかしいところを見られてばかりだ…。
自分の不注意が原因なので仕方ないのだけど、本当に恥ずかしかった。