第6章 再起
今はとにかく寒いので、先輩の気持ちがありがたかった。
西谷先輩からジャージの上着を受け取る。
袖を通すと、寒気も幾分マシになった。
ジャージの前を全部閉めてほっとしたところで、今度は急に家の鍵をどこにしまったかという問題について思い出す。
今日はお母さんが仕事の日なので自分で鍵を開けなければならない。
スムーズに家に入るために出しておこうと思った。
スカートのポケットに手を突っ込んで取り出すと、簡単に鍵は見つかった。
あ、なんだ。ここにあったんだ。
簡単に見つかってよかった…
そう思ったその時、足下に何かがバサッと音を立てて落ちた。
……………あ。
「……ん、なんだこれ。」
「ひ、拾わないでいいです!!!!」
「あ?」