第6章 再起
「チョコにすんのか?」
「はい!ただ、よく見て決めないと…」
「ん、何をだ?」
「値段に対するグラム数です。同じ値段ならちょっとでも多いのがいいから…」
私の答えを聞いた西谷先輩は声を上げて笑った。
「なんだそれ…食い意地張りすぎだろ!ダイエットって言ったかと思ったら今度はちょっとでも多く食おうとするって…」
「だ、だってー!何か得した気がするじゃないですか!どうせならちょっとでも多く食べたいし…」
「お前のそういう極端なとこ、俺はすごくいいと思うぜ!食いたいだけ食え、おごってやる!」
「西谷先輩…!!」
西谷先輩が神様に見えた。
頭の中で値段とグラム数の計算をして、お得なものを選んでカゴに入れていく。
糖分を体に染み渡らせる瞬間を夢見て、心が踊った。