第6章 再起
影山くんに思考を占拠されてから、ダイエットのことなんて最早どうでも良くなってしまっていた。
そして、昼休みにお弁当においしそうにがっつく日向くんを見て、私の我慢の日々は簡単にその終わりを告げる。
「もうだめだ。我慢できない…!!」
今日は部活終わりに皆で坂ノ下に行くというので、そこで美味しいものをたくさん買って食べてやることにした。
陳列棚に並ぶ久々のチョコレートを見て、感嘆のため息をつく。
「会いたかったよチョコレート…」
「お、ダイエットもう諦めたのか!」
いつの間にか隣にやってきていた西谷先輩の言葉がぐさっと心に刺さる。
「それでいい!やっぱ菜月はうまそうに食ってねえとな!」
その明るい笑顔に、心がほぐれた。
やっぱり西谷先輩といると元気が出る。