第6章 再起
放課後。
部活へと向かおうとしているところで、菅原先輩と出くわした。
目が合った瞬間に昨日のことを思い出して恥ずかしくなり、私はつい逃げ出してしまう。
「あ、おい、ちょっと待ってよ!」
追いかけてきた先輩にあっけなく掴まった。
触れられた瞬間に恥ずかしさと熱がわっとこみ上げてきて、私は思わず叫んでしまった。
「きゃーーー!!」
「え、ちょ、ちょっと…!」
動揺した先輩は私の口を手で覆う。
「そんな声で叫ばれたら俺がなんか変なことしたみたいじゃんか!」
「あ…ご、ごめんなさい…」
私が落ち着いたのを確認してから、菅原先輩は手を離してくれた。
「…いや、謝るのは俺らの方だな。昨日はごめんな、何か変な感じになっちゃって。」
「いえ…」
「大地の言ったこと、気にしてる?」
「はい、ものすごく…」
先輩は軽くため息をついて、だよなあと相槌を打ってくれた。
「あいつも悪気があったわけじゃないから。……それに、本当のことだし。」
私は先輩の言葉に驚きを隠せなかった。
菅原先輩…フォローしに来てくれたんじゃないのか。