第6章 再起
「おいおいお前ら、そこまでにしとけよ。菜月が日向みたいになってるぞ。」
大地さんがショート寸前の私を見かねて助けに来てくれた。
「みんな女子に飢えてるのは分かるけど、くれぐれも菜月に変なことはするなよな。自由にしていいのは頭の中でだけだぞ。」
「「「「「!!!!!」」」」」
大地さんまでもがとんでもないことを発言し、思わず私は倒れてしまいそうになる。
「…おい大地、お前が一番とんでもないこと言ってる気がするのは俺の気のせい…?」
旭さんが恐る恐る口を開く。
それを聞いて大地さんが失言に気付いたのかハッとしたように顔を赤くした。
「わ、悪い!!別にそんなつもりじゃ…」
「じゃあどんなつもりだったんだよ大地ー。女子の前でなんてことを…天然か!」
菅原先輩のツッコミも耳に入らないくらい私は動揺していた。
やっぱり皆、自分の好きな人でそういうこと考えたりするのかな。
男子中高生なんてそういうことしか考えてないとか聞いたりもするけど…
だとしたら、私のことを好きだって言っている人たちは皆、私でそういうことを…?!
一人ひとりの顔を見て、死にそうなくらい恥ずかしくなる。
皆の頭の中の私は、どんな表情で、声で、体つきをしてるのか。
知りたくもなかったけど考えてしまう。
「いやー!!!!」
叫び声と共に部室を飛び出した。
絶対絶対やせてやる!
そう決意を新たにした。