第1章 出会い
甘いものすきなんだ、良かった。
安心したところで、もうひとつの用件を。
「ねえ月島くん、余計な事かもしれないけど…影山くんも中学のときのことすごく気にしてるみたいだからさ。大地さんも言ってたけど仲間なんだし、皆で仲良くしよう?」
ぼーっと私の話を聞いていた月島くんにふっと鼻で笑われた。
「皆で仲良くって…小学生じゃあるまいし。」
「えっ…」
「まあ、僕ももうあんなに走らされるのはごめんだしね。影山のことは極力からかわないように努めるよ。」
「う、うん、ありがとう…!」
「別に君のためじゃないから。」
「ふふ、それじゃあね。」
用件はすべて伝えたので、自分のクラスへ戻ることにする。
「あ…あのさ。」
月島くんに呼び止められた。
「何かかえって気を遣わせて悪かったね。これ…ありがたくいただいておく。」
「…!うん!また部活でね!」
「うん、じゃあね。…菜月。 」
はっとして振り返ったけれど、もう月島くんは自分の席へと戻っていて、それを山口くんが慌てて追いかけていく様子が目に入った。
今…名前で呼ばれた?
びっくりして固まっていると、今度は別の方向から声をかけられた。