• テキストサイズ

【HQ】春が始まる。(烏野逆ハー)

第6章 再起




「…笑えよ。」



「え?」



「気ばっか遣ってないで笑えよ。それ、欲しかったんだろうが。」



その言葉を聞いて、思わず笑顔がこぼれた。



「うん、ほんとにありがとう影山くん!!」



これ、どうしても欲しかったんだーと言いながら台紙を天井にかざしていると、私に一歩近付いた影山くんが頭にぽんと手を置いてくる。



そして、優しく髪を撫でられた。



菅原先輩にはよくされる行為だけど、影山くんにされるのは初めてだった。



触れ方がソフトで、まるでいつもの影山くんじゃないかのようで、私は途端に緊張する。



私が赤い顔で見つめているのに気付いたのか、影山くんはハッとしたように手を引っ込めた。



「うるせえな…」



「え、なんにも言ってないけど…」



「視線がうるせえんだよ!こっち見んな!!」



俺のことを見てないと気がすまないと言ったかと思えば、こっちを見るなと言う時もある。



少し混乱するけど、今は影山くんが照れているのが分かるから。



何だか可愛く思えて、からかいたくなってくる。



わざとじっと見つめてやることにした。



/ 767ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp