第6章 再起
「……見んなっつってんだろ…」
ニヤニヤが止まらない。
影山くん、面白いんだもん。
「だって影山くん可愛いから…」
「口塞がれてえのか、お前」
いきなりマジな視線を向けられて、今度は私が焦る番だ。
「俺はいつでも本気だからな。あんまりふざけてるとマジでするぞ。」
「はは…影山くんは前科があるもんね…」
「んだと?!…今度は舌つっこんで腰砕けにしてやるよ。こっち来い!!」
「いやー!恥ずかしいことばっか言わないでー!!」
ふいに目が合って、どちらからともなく吹き出した。
「影山くん。これ、交換に行く時一緒に行ってくれる?」
「………ああ。」
昼休み終了を告げるチャイムの音を聞く。
影山くんから渡された、たった一枚のこの紙片が、私の心を弾ませていた。
今日も通常運転で不器用な影山くんの隣で、私はまた笑顔をこぼした。